『 図書カード 』
台風の過ぎ、猛暑から一気に涼しくなり、
過ごしやすくなった8月も最終日
青色の空の中、白色の雲が所々にあり、絵の様な空。
刺すような日差しも柔らかくなったと言え、
まだまだ暑く感じられる中、停車中のバスから降り、
冷房に慣れてしまった身体に溜息を付き歩きだした。
慣れた道を歩き、門を潜れば、
掛け声や声援の声が聞こえる中、
視線を動かす事も無く建物の中へ入って行く。
目の前にある扉を開けると、ひんやりとした空気が流れ
外気との温度差に一瞬身構えるが、ゆっくりと中へと入り、
並んでいる席から空いている席にカバンを置き、
持ってきた本数冊を手に持ち、カウンターへと行けば見
知った人物が座っていた。
「越前、返却したいんだけど・・」
本を読んでいたのか、声をかけると視線を上げ
差し出している本を確認すると、
メンドクサそうに本を受け取り、
カードに書かれている題名を本を確認し、返却印を押す。
最後の確認印を押すのを確認し、返された図書カードを受け取ると
席には戻らず、本棚へと歩いて行く。
目的の本を探していると
「にゃ!
ちゃんじゃん!」
いきなり名を呼ばれ、足を止め声の方へ振り向けば
手を振る姿が見た。
テニス部の・・・・・
中学になり友達になった、
小坂田朋香、竜崎桜乃と一緒に帰る為、テニス部の近くにいるものの
話したりしたことの無い人物からの呼びかけに首をかしげていると、
同じテーブルに、テニス部のメンバーが揃っている事に気付き、
「こんにちわ、菊丸先輩」
軽く頭を下げながら挨拶をする。
「はい、コンニチワ!
ちゃんは、何しにきたの?」
笑顔で返事を返され、聞かれた質問の答えを言おうとするが、
「あ、解った。
宿題をしにきたんでしょ!」
の言葉より先に菊丸が自分の中で出した答えを出し、
さらに、
「だったら、俺達と一緒にしよう。
荷物はどこに置いて来たの?」
返事も出来ず、視線でカバンの場所を指すと
持って来て上げるから待ってて!
と、勢い良く席を立ち前から去ってしまうと、
苦笑している不二の姿が目に入る。
「こんにちわ」
改めて挨拶をすれば、
今度はメンバーの全員が挨拶を返してくれた。
「エージが迷惑をかけちゃってゴメンね」
小さな声で話しかけてくる不二に対し
「いえ・・・」
首を振り返事を返していると、
「はい、ちゃん。
ほら、不二移動して。
ちゃんはソコに座ってね」
カバンを手に戻ってきた菊丸に席を勧められ、
本を取りに行く事を止め、席に座り、
カバンの中からノートとペンを取り出しテーブルの上に置くが、
資料としての本が無い為、何も出来ず席に座っているが居辛くなり
「あの・・本を探してきます」
頭を悩まし大石の説明を聞いている菊丸に声をかけず、隣に座っている不二に声
をかけ、
音を立てない様にイスを動かし、返事を待たず本棚の奥へと入っていった。
目的の本を手にしながら、更に違う本を選び確認をする。
「ちゃん、遅いね」
集中力が切れてきたのか、
いつまでたっても横に座っていたはずのが帰ってこない事に菊丸が心配をも
らす。
「斎が席を立ってから1時間以上経過している・・
流石に遅いな」
乾の言葉に、
「確かに遅いね・・」
読んでいた本から、顔を挙げた不二に
「不二、探してきてよ」
「僕が?」
不思議そうに首を傾げる不二に
「そ!
なんってたって、俺、宿題してるからね」
手を振り送り出す、菊丸に苦笑しながら席を立ち
が居るであろう場所へと向かった。
何個目かの本棚の間を左右を見ながら、
の姿を探せば、本を片手に立っている姿をあった。
「ちゃん」
小さい声だが、近くからの呼びかけたが気が付かないのか
本から視線が外れる事がなく、
やれやれ・・
読み込んでいるの横に立ち、並んでいる本から1冊抜き取り
表紙をめくった。
話を読みながら、時折を見ていると、
視線が合い、不思議そうなに微笑見な
「読みたい本はあった?」
問い掛ければ
「はい」
頷き、数冊本棚から取り出し、不二に微笑返す。
「じゃ、席に戻ろうか」
先に歩き出す不二に
「あの、カウンターに行きますので先に戻っていて下さい」
先に歩いている不二の背を見ながら話かけるが
「僕も借りたいモノかあるから、一緒に行くよ」
変わらぬ距離を保ちながらと共にカウンターへ向かい
「越前、貸し出しをしたいんだけど」
変わらずカウンターで仕事をしている越前の前に不二が本を差し出すと、
学年別に分かれているカードを探し始める。
自分のカードを出して貰う間、本に挟まれているカードに
自分の学年と名前を記入するが不二より冊数が多いは
時間がかかってしまい、目の前に置かれたカードに題名を記入をするが、
記入欄が無くなっている事に気が付き顔を上げるが
「はい、新しい方だよ」
横から差し出されるカードを受け取り、
氏名の欄にペンを置きかけるが、
書かれている事に気付き必要な部分を書き出す。
自分の字でもない字で書かれている名は、
自分の名ではないのではないかと思わせるぐらい綺麗で、
丁寧に書かれている。
字は
性格が出る
そんな事を本か何かで書かれていた気がする・・・
だとすると、
この字を書いたのは越前ではなく不二が書いたのか・・・
それか、司書が気を使い作っておいてくれたのか・・・
いつも忙しそうにしている司書が、
作り置きをしておいてくれる事は無いだろう。
書きながら、考えを進めていくが
核心を持てる答えが見付からないまま、
越前へと渡し仕舞われるを身と解け、不二と共に席へと戻る。
置かれたままのノートを開き、
資料として乗っている記事を書き写していると、視界の隅に
書かれたばかりの文字が入り、無意識に目で追うと、
カードに書かれていた文字を良く似た雰囲気に文字がならんでいた。
「不二先輩だったのですね・・・」
零れ落ちたの言葉に
「なに?」
動かしていた手を止め、不二が聞き返す。
「カードに私の名前を書いてくれたのは・・」
書かれている文字から視線を上げ不二を目を合わす。
「うん。
なんだかちゃん、忙しそうだったからね」
普段と変わらない、不二の穏やかな微笑みに
「ありがとうございます」
名前を書いて貰った事に礼を言えば
「どういたしまして」
微笑みを深くし、言葉を返す。
会話が終わると、自然に視線は本やノートに写り沈黙が続く。
が、居辛い雰囲気などドコにも無く穏やかな空気があるだけだった。
「本当に不思議な関係だよね」
の隣で見ていた菊丸の言葉に回りは頷くものの、
肝心の2人は聞こえておらず、視線は動かなかった。
青色から茜色に変わり、藍色へと変化をすれば
1番星が輝き、夜が訪れる。
月が消え、星たちが輝き、再び太陽が昇れば
夏から秋へと変わり新学期が始まる。
再び学校の生活が始まる・・・
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不二と恋する1週間(仮)
第1話目は『 図書カード 』でした。
中々ツボを付いてくるお題で、色々悩みましたがなんとか出来たという感じです。
如何でしょうか?
何より、恋するになっているのかが疑問です。
あ、このお題ですが榊あんず専用お題ですので配布はありません。
あしからずご了承下さい。